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原稿サイズ
印刷
基本的には印刷前提で原稿を作っておきたい。必要に応じてWeb上でも扱えるようにもしたい。 印刷は大きく分けて、商業誌と同人誌でサイズの扱いが違う。 ひとつの原稿で、すべてのフォーマットに対応するのが理想なので、可能かどうか調べてみる。
用紙サイズ規格 A列判、B列判
一般的な紙のサイズはドイツ式のA判と日本式のB判があり、今では国際規格となっている。 B判は四六判(しろくばん)として日本で親しまれていたサイズで、元々は江戸の公用紙である美濃紙判が由来。 A判、B判共に比率は同じで、サイズのみが違う。 比率は白銀比で1:ルート2となっていて、半分に切った際に比率が変わらないという特長がある。 0サイズの基準はメートル法の面積なので、辺を数値化すると丸める必要があり、誤差が結構ある。 現実的には各辺の長さで扱うので、まぁいろいろ問題が発生しやすい。 考え方はよいので、もう少し誤差が出にくい管理方法が求められる。

原稿サイズ
漫画原稿サイズは大きく分けて商業誌サイズと同人誌サイズがある。 個人的に使いそうなのは以下の2種類。

商業誌サイズ
B4サイズの紙に描く。 上記製本サイズは324x224と微妙な比率。 基本枠270x180は多くの出版社が採用している。 実際の雑誌のサイズはB5なので約80%縮小されることになる。 基本枠の270x180は、80%縮小され最終的には216x144となる。 コミックになると50%縮小になるようだ。
同人誌B5サイズ
同人誌は等倍で印刷される。A4サイズで描き、B5に裁断され、基本枠のサイズは印刷後も変わらない。 また同人誌では手軽なA5サイズも広く使われているが、基本的にはB5を前提にしておきたい。 必要に応じて縮小印刷することはコミックを作るようなもので難しいことではない。
上記を踏まえた上で、どちらの媒体でも利用できる原稿を作っておきたい。 クリスタ上では、一番大きな商業誌サイズで描き、出力するときに最適なサイズにすればよいと思う。 ただし漫画の場合、モノクロ2値で描いたり、スクリーントーンがあるので、線数なども考慮する必要があり、意外とややこしい。
「風の谷のナウシカ」サイズ
B5判「風の谷のナウシカ」の枠組みは以下のようになっていた。 ノドがやや詰まり過ぎで、見にくさはあるが、なるべく絵を大きく扱っている。上記の内枠を超えて、印刷可能な範囲までコマが描かれている感じ。セーフラインまで描いているようだ。 他の漫画であるような裁ち切りまで絵があるようなことはなく、行儀よく以下の範囲におさまっている。

オリジナル商業誌サイズ
上記「風の谷のナウシカ」を少し修正してみた。 天地は、大手出版社のセーフラインを考慮しながらナウシカと同じ14mmとした。 小口、ノド寸法は同人誌サイズを採用。 これが最終的に印刷されたサイズ。

原稿サイズは上記を1.25倍したB4キャンバスサイズ。

上記原稿を同人誌のA4キャンバスサイズに縮小したい場合は、サイズをA4にして解像度を1200dpiにアップすれば補間方向になり、データ欠けがないのでよいと思う。 オートアクションと組み合わせて自動処理すれば、手間ではないと思う。
Web用
Web用はオマケ的位置づけで、基本的には紙印刷用原稿として仕上げる。 それでも多少はWeb用も考慮しておきたい。 一番の問題はスクリーントーンのモアレ対策となる。 スクリーントーンはキープしたいので、トーンをグレーにしてしまう方法は考えない。 今のところグレースケール&低解像度で出力するという方法が候補。 出力範囲はトンボの裁ち落としまで。 軽く試した感じでは20%縮小ぐらいが適当かもしれない。 このサイズは単ページ当たり横1122x縦1565pxぐらいとなる。 表示デバイスやサイズによって、モアレになったりならなかったりするが、等倍であればそれほど気にならない。 ホームページ上で漫画ビューアーを使って表示させた場合も悪くない。 後々良い方法があれば置き換えて行こうと思う。

色の詳細設定は以下の通り。

個人的にWeb用なら、デジタル臭さを軽減するためにテクスチャーも適用しておきたい。 下は試しにコピー用紙をスキャンして色補正し、素材として登録して使ってみたところ。 クリスタ独自の方法ではなく、画像処理の基本的な乗算合成を適用。 とりあえず線画を75%にして、多少テクスチャが出るようにしてみたが、ベタ部分のテクスチャーが問題。 ちゃんと作り始めたら対策を考えて行こうと思う。
