CLIP STUDIO PAINT EX
スクリーン線数
印刷の解像度に相当する重要な項目。 1インチ(25.4mm)当たりの網点の数で、単位はlpi(lines per inch)となっている。 原始的なシルクスクリーン印刷が分かりやすいので下に模式図を描いてみた。 そもそもスクリーン版はシルク(現在はナイロンやポリエステル)で作られていて縦糸横糸で編まれている。 版は抜けている部分とマスクされた部分があり、抜けている部分からインキが染み出し紙に印刷される。 実際のオフセット印刷はもっと複雑な工程となっている。

スクリーン線数は解像度に当たり、以下のようなイメージで、黒線はシルク線、白四角いところからインキが出て紙に印刷される。網点の数は45度斜めにすることで数えやすくなる。 もし水平に網点を数えようとすると、滲んでつながってしまうので数えにくい。

主な印刷媒体のスクリーン線数
意外なことに漫画や同人誌のスクリーン線数をズバリ示してくれているサイトがない。 漫画の場合、すぐにスクリーントーンの話になってしまって、実際のスクリーン線数には関心がないようだ。 とりあえず一般的な印刷物で使われている線数は以下の通り。
- 新聞などの更紙:60~80線 インキが紙に吸収され滲む。
- 文字主体のモノクロ印刷雑誌など:80~133線 インキがやや滲む
- カタログなどの光沢のあるコート紙:175~240線 高精細
dpi
最終的に印刷される線数を基準にデジタル原稿の解像度dpiを設定する必要がある。 一般的に線数の2倍が適正値。

カラー原稿
表紙などのカラーデジタル原稿は350dpiと言われるので、逆算して175lpiという線数が基本と考えられ、コート紙のカラー印刷に相当する。
モノクロ原稿
漫画本編はモノクロ2値、600dpi、1200dpiで描くことが推奨され、トーンは60線が標準とされている。 実際印刷される線数は80~133線というところだろうか。 商業誌であれば、原稿を60線として描き、80%縮小され印刷されるので、最終的には75線という計算になる。おそらく80線以上で印刷されているため、問題は起きないということだろう。 同人誌で商業誌と同じトーンサイズにしたい場合は60線ではなく、75線にするとよさそうだ。

オンデマンド印刷
仕組としてはレーザープリンタと考えてよさそう。 100部以下など部数が少ない時に利用する。 版が必要ないため比較的安価で短納期。 品質は一般的にオフセット印刷がよいとされるが、オンデマンド印刷の品質も向上している。 同人誌で少ない部数刷るにはよいと思われる。

オフセット印刷
伝統的な商業印刷方法でプロ品質。 版が必要なため、それなりの部数を刷らないと、単価が高くなってしまう。 カラーの場合はCMYKの4版が必要になる。 同人誌で刷る場合は、それなりの費用がかかる。
