CLAPi CardinalMutable Instruments Elements
Audible Instruments Modal Synthesizer
u-he Zebra3で採用する物理音源のコンセプトがユーロラックのハードウェア Mutable Instruments Elementsに近いように思えたので、Cardinalにある、そのエミュレータのAudible Instruments Modal Synthesizerをいじってみるという内容。
下絵がZebra3 Alpha版にある物理音源系モジュール。 Mallet(発振器)とModal(共鳴装置)に別けられている。
下写真がオリジナルハードウェア製品のMutable Instruments Elements。
下スクリーンショットがCardinalに搭載されているエミュレーターのAudible Instruments Modal Synthesizer。Mutable Instruments社はCC-BY-SAライセンスでオープンに開発されているためエミュレーターにも寛容のようだ。
以下の動画を見てから、適当にいじってみることにする。
細かな部分は、以下のマニュアルを参照する。
マニュアル:https://pichenettes.github.io/mutable-instruments-documentation/modules/elements/
構成
Elementsは物理音源系モジュールで、基本的にはbowing、blowing、impulsesの3種を発振するSignal Generatorとギターでいうとボディともいえる共鳴装置Modal Resonatorで構成されている。
左側のSignal Generatorは、音程を持たない発振部分で、3種類をブレンドすることが出来る。
BOW
フィルタリングされた摩擦ノイズ
CONTOUR
BOW及びBLOWにエンベロープを適用する。 12時ぐらいまでは減衰する音で、それ以上は減衰しなくなる。
BOW
音量だけでなく弓の圧力の増加をシミュレートし、より明るくノイズの多いサウンドを引き起こす。
TIMBRE
BOW素材の滑らかさまたは粒度を制御。 変調用入力およびノブあり。
BLOW
ピッチ制御された粒状ノイズ
CONTOUR
BOW及びBLOWにエンベロープを適用する。 12時ぐらいまでは減衰する音で、それ以上は減衰しなくなる。
BLOW
レゾネーターに送られる粒状のブローノイズの量を制御。
FLOW
さまざまな色のノイズをスキャンする一種のウェーブテーブル。微妙に動かしただけで変化する。 変調用入力およびノブあり。
TIMBRE
ノイズジェネレーターのピッチ/粒度を制御。 変調用入力およびノブあり。
STRIKE
スティック、マレット、ハンマー、ブラシのサンプル再生。
STRIKE
レゾネーターに送られるパーカッシブノイズの量を制御。 2時以上に設定すると、メイン出力信号で「ブリード」して、より噛み付くパーカッシブなサウンドになる。
MALLET
パーカッシブノイズのタイプを制御。 ハンマー、マレット、スティックの実際のサンプル、ダンピングの有無にかかわらず演奏されるマレットの物理モデル。バチの物理モデルで、さまざまなピッキング速度で再生、サーフェス上で跳ね返る粒子の物理モデル。 これらをモーフィングして利用可能。 変調用入力およびノブあり。
TIMBRE
パーカッシブ励起の明るさ/速度を制御。 変調用入力およびノブあり。
Modal Resonator
COARSE
音程を半音単位で調整。物理音源のため、ここで音程の調整は必須。
FINE
-2~+2半音の微調整。
FM
入力がある場合に機能する。変調の量と極性を制御。
GEOMETRY
共鳴する構造の形状と剛性を制御。プレート~弦~バー/チューブ~ベル/ボウル。 変調用入力およびノブあり。
BRIGHTNESS
高周波モードのミュートの度合いを制御。 低い値は、木材やナイロンなどの素材をシミュレート。 高い値は、ガラスやスチールなどの材料をシミュレート。 変調用入力およびノブあり。
DAMPING
エネルギーが材料を通じてどれだけ速く散逸するかを制御。 CVでモジュレートすると、手で振動面をブロックして音を減衰させたりミュートしたりする効果を再現可能。 変調用入力およびノブあり。
POSITION
ストリング/サーフェスのポイントを制御。 サーフェスの真ん中に励起を適用すると、対称性により偶数高調波が互いに打ち消し合い、矩形波を連想させる「中空」の音が生じる。矩形発振器のPWM制御や、フェイザーのコムフィルタリング効果に近い。 変調用入力およびノブあり。
SPACE
残響のステレオ幅と量を制御。 最小位置に設定すると、一方の出力チャンネルにエキサイター出力、もう一方のチャンネルにレゾネーター出力。 さらに増やすと、2つのマイク間の角度が大きくなる。 12時を過ぎると、SPACEはレゾネーター信号に適用されるアルゴリズムリバーブレーターの量と減衰時間を制御。 SPACEが増加すると、振動面の音を2つの異なる位置で拾うことでステレオ効果となる。 最大位置にあるときに非常に高いCVを適用すると、「フリーズ」エフェクトがトリガーされ、リバーブテイルの減衰が防止される。 変調用入力およびノブあり。
PLAY
外部から鳴らさなくても、直接音を出すことができる。 GATE入力に送信することと同じ挙動。
V/OCT入力
ノートのピッチ制御。
FM入力
FM用変調ソース入力。
GATE入力
エキサイターGATE入力。
STRENGTH入力
励起信号を増幅または減衰するVCAとして機能。 正のCVは信号をブーストし、負のCVは信号を減衰させる。 スケールは3dB/Vで、最大減衰/利得は+/- 15dB
EXT IN(赤)
この入力に送られたオーディオ信号は、ブローイングノイズと同じ経路を通り、拡散され、エンベロープによって増幅され、次にSTRENGTH VCAによって増幅される。
EXT IN(青)
この入力に送られたオーディオ入力は未処理で、レゾネーターに直接送信される。
OUT L/R
出力。
とりあえず使ってみた感想
どうもMutable Instrumentsのモジュールは肌に合わないようだ。 各パラメータが複合的かつ、独自セレクトで、移行していくので、その挙動は慣れないと使いこなせない。 ユーロラックでリアルタイム操作を想定したモジュールのため、このような設計になったのだろうけど、 独特過ぎる・・・