VSTe signal modelling devicedigitalfishphones dominion 無料
2002年にリリースされたサチュレーションプラグインであるが、トランジェントの調整も可能になっている。 最近は、この手のプラグインは多いのだけど、2002年当時は珍しかったと思う。 現在でも通用するプラグインで、アナログハードウェアの歪感が欲しい場合にはちょうど良いと思う。ただし32ibt VST2なのでDAWによっては動かないかもしれない。 Reaperでは問題なく動作している!
https://www.digitalfishphones.com/
Sascha Eversmeierのプラグインは、どれも難解なところがある。 アナログ的な振る舞いをエミュレートしているので、挙動は複雑で予想外の動きをすることもある。BLOCKFISHと同レベルで厄介なdominion。 またマニュアルも整然としていないので、結局ひとつひとつ実験しないと見えてこないところが多い。とにかく面倒くさいプラグインであることは間違いない。
dominionの信号フロー。
dominionの用途としてはアンサンブルの中で対象が埋もれないように、歪成分やトランジェントを調整するという感じだろうか。いずれも微妙な使い方で劇的に音を変化させるものではない。
input +-6dB
入力レベルが増加すると、ノンリニアアンプでのエンファシス回路のフィルタ周波数がシフトアップし、高音域内でわずかなロールオフが生じる。
attack(Envelope stage)
内部設計が不明だが、振幅を推測するエンベロープと、アタックが遅いエンベロープを使用しているとのこと。
level -25~0~25
上げるとトランジェントが強調され、下げるとトランジェントが目立たなくなっていく。 下はlevelをそれぞれ変えてみた時の波形。lengthはデフォルトの52ms。
length 5~100ms
アタックが遅いエンベロープの調整。 短いと勾配が急になりlevelによる変化が強調される。 長い設定は、attackフェーズ全体をブーストまたはカットするが、長すぎると不自然になる。 下はlengthの長さで波形がどのように変わるか試してみた。 波形によっては違いがほとんどなかったりするので、違いが分かりにくいパラメータ。
x2
attackの強化または減少の利用可能な量が2倍になる。
sustain(Envelope stage)
level -25~0~25
余韻の長さの調整。0が入力音と同じで、プラスにすると長くなり、マイナスになると短くなる。 下図は減衰するサイン波で実験した結果。lengthはデフォルトの185ms。
length 30~650ms
levelに応じて減衰カーブを調整。 level 0の時は変化はない。
下はlevel-25のときlengthを変えてみた。
下はlevel+25のときlengthを変えてみた。
x2
attackの強化または減少の利用可能な量が2倍になる。
saturation(nonlinear amplification)
static(0)~dynamic(50)
staticでは奇数倍音を付加しトランジスタ等のアナログサウンドを生成。
dynamicへ回していくとピークを圧縮しトランジェントに奇数倍音と偶数倍音を生成する。 真空管の挙動に近くなる。
soft(0)~hard(50)
softは柔らかなミッド~トップエンドが生成され、回路の動作点は低くなる。 hardではよりシャープなhf detailsが生成され、高レベルの信号にみ影響を受けるようになる。
サイン波を入れて歪ませてオシロで見ると以下のようになった。 極端な歪みではない。
周波数スペクトルを見ると豊富に倍音が付加されているのが分かる。 特に奇数倍音が目立つので、やはり真空管のような歪と言える。
High-frequency (hf) details
tune 1.2~ 10.0k
高周波の調整で選択されている周波数以上をlevelでコントロール。
level 0~50
上記高周波のレベル調整。
下動画はサイン波を入れて、dominion内で倍音を生成。そしてtuneを10kHzに設定して、levelを上げていった状態。10kHz以上の倍音が微妙に上がっている。
output +-6dB
最終的なアウトプットレベルの調整。
reset, bypass, mono
reset
デフォルト設定になる。初期化時と同じ。
bypass
未処理のオーディオが出力される。基本的に確認用として使う。
mono
ONにするとステレオ信号でもモノラルになる。モノラルトラックではONして使うとCPU消費を削減できる。