アコースティックギター Takamine taka-mini
http://www.takamineguitars.co.jp/
定価 25,725円
購入価格 19,000円 クロサワ楽器 2009年5月購入
アコースティックのミニギターは各社からいろいろ出ていて、価格もサイズも手軽なことから、そこそこ需要はあるようだ。大人だけでなく子供にも無理なく弾けるサイズなので購入してみた。
(2012年夏にTakamineのホームページを見たら、このモデルがない。販売を終了したようだ。)
ミニギターと言っても、サイズは様々。あまり小さすぎると、弾きにくかったり、弦のテンションが弱すぎて音とチューニング面で問題も出てしまう。そこで極端に小さくないことからタカミネのミニギター「taka-mini」が候補となる。タカミネによれば「初めてギターを手にするお子様向け」ということらしいが、うちでは、しばらく大人が使うことになりそうだが。
Taka-miniの主な仕様
中国製
トップ:スプルース
バック&サイド:バスウッド
ネック:ナトー
指板:ローズ
弦長:592mm
ナット幅:39mm
全長約920mm ヘッド先端からボトムまで(実測値)
重量 1650g (実測値)
結局通販で購入
近くのアピタ内の楽器屋へ買いに行ったら、タカミネギターは扱っているけど、この「taka-mini」は扱っていないという。どうも中国製でタカミネブランドがくっついているだけなので、通常の販売ルートでは扱われていないようだ。(タカミネの管理下で作られてはいるようだ。)仕方なく通販のクロサワ楽器で注文。本当はモノを見てから判断したかったのだけど、スペックだけで判断してしまった。数日後に到着。
印象
ミニギターとしては高めの19000円だが、個人的には格安に思えた。つくりはしっかりしているし、よく考えられている。音もミニギターとしてはがんばっていると思う。家で弾くには音量的も近所迷惑にならず、夜ちょこっと弾く分には、よいかもしれない。
スケール
他メーカーとの違いは、ミニギターとしては弦のスケールが592mmと長め。音色とチューニングの安定性では有利だと思うが、小さい子供には弾きにくいと思われる。とりあえず身長130cmの子供に簡単なコードを弾かせてチェックしてみたら違和感はなさそうだ。
ネック
ネックはレギュラーサイズのギターに比べると、かなり細く頼りない印象。弾きやすいと言えば弾きやすいが、違和感はかなりある。レギュラーサイズから持ち替えるとコードを押さえ損なったりする。
音
音量は小さめで、低音は控えめ。レギュラーサイズのギターと比較すると量感がないという印象。妙にポコポコという感じで鳴るが不快ではない。これはこれでアリかなと思う。
木は染めている
ボディ側面や裏面は濃茶色だが、これは染めてあるだけで実際は白木。ギター内部から見れば明らか。安っぽさ全開。おそらく妙に黒っぽい指板のローズウッドも染めていると思う。レモンオイルなどで拭いたら、色が落ちるかもしれない。ネックはナトーで色は薄茶。でもやや濃いように思う。ボディにそろえて染めている可能性ありかな。
内蔵チューナー
意外と便利な内蔵チューナー。購入前は必要ないと思っていた内蔵チューナーだが、使ってみたら便利だった。オートチューナーで弦を鳴らせば、その音が7セグメントLEDでABCDEFGと表示されるので楽チン。ちゃんと#も表示される。単4形乾電池2本で駆動できるところもポイント高い。精度も実用の範囲だと思われる。後日測定したらプラスマイナス5~10セントだった。低音ほど誤差は大きいかも。とりあえず、このメーターだけを頼りにしても気持ち悪くない範囲でチューニングはできそうだ。ただ精密なチューニングするなら、各弦のマッチングが必要。個人的には音叉でチューニングしてしまうけど。
チューニングの安定性
ミニギターはスケールが短いのでチューニングが安定しないという話だが、Taka-miniは、そこそこ安定していて大きな問題はない。オクターブチューニングはナットを削ったので、そのうち合わせようと思うけど、ローポジションでコード弾く分には気にならないので後回しかな。後日オクターブチューニングを測定してみたけど、プラスマイナス5セント以内に納まっていた。これならぜんぜん問題ないや。(セントは1オクターブ/1200の単位)
ヘッド
Takamineロゴは印刷でちょっと安っぽいが、本当に安いのだから仕方ない。糸巻きは弦の先端を飛び出さないようにできるので、指を刺すこともなく安全。構造的にはベースギターの糸巻きと同じ。動きがなめらかでないので、チューニングがしにくい。糸巻きはゴトーなど信頼できるものに交換したほうがいいかも。
サウンドホール
Made in China とある。中国製ゆえに雑な部分もあって国内生産されている他のタカミネギターとはランクが違う。実は下の写真のように内部の木が割れていて、本体を交換してもらった。メーカー、店舗とも対応が素晴らしかった。
付属品
いろいろ付属しているが、邪魔なものはない。価格から考えるとお得な印象。ギタースタンドが付属というのは、とてもよいと思う。
・ソフトケース
・換え弦 *
・ストリングス・ワインダー
・ストラップ
・音叉 *
・湿度調整キット *
・ギタースタンド *
・ギタークロス
・ピック 2枚
* は、タカミネ公式アクセサリー以外
付属ストラップはナイロン製なので、滑りやすくギターの位置が安定しないので、結局革製ストラップに交換した。
ストラップピン追加
ヒール部背面にドリルで穴を開けて、ストラップピンを追加した。ヘッドにストラップをつける人も多いようだけど、こちらのほうがネックへの負担も軽減されるし、ストラップが邪魔にならずに弾きやすいと思うのだが。
ナット調整
弾きやすくするために、ナットの溝を少し削って、弦高を下げてみた。Fがかなり弾きやすくなった。ブリッジ側はとりあえず削らずそのままで使用。
音サンプル
コードストロークとアルペジオのサンプル。演奏は適当です。録音機材はダイナミックマイクSM57,SM58をステレオとして使用。ALESIS MultiMix 4 USB経由でPC/Audacityで録音。EQやエフェクターなどはナシなので、ギター本来の音が分かると思う。 生で聴くよりもなぜかバランスが良く聴こえる。低音が出ないのが録音には好都合のようだ。
チューナーの電池蓋が閉まらなくなったので修正
久しぶりに引っ張り出してきたら、チューナーの蓋が下の写真のように閉まらず浮いている状態。本来カチッと閉まるはずだが、押し込んでも浮いてきてしまう。これではチューニングの電源も入らないし、電池も抜け落ちてしまう。元々微妙な閉まり具合だったので、カチッと閉まるように修正することにした。
4つのねじをはずしてチューナーを取ると下のように穴が空いている。この穴の精度が悪い・・・ この穴の一部を削ることで電池蓋が気持ちよく閉まるようになる。下の写真は修正後。右側の一部を少し削っている。 ちなみに、この穴がある状態で弾いてみたら、なんとも響きが薄くなってしまった。こんな側面の穴でも音への影響は大きいのだね。開口率が増えることで、共振周波数は上がって全体的に軽い音になる。
下は抜き取ったチューナーの写真。本体の重量はかなり軽い。
チューナーを取り付けて終了。気持ちよくカチッと閉まるようになった。