アコースティックギター フレット交換&指板ストレート化
古いタカミネのギターのフレットが減っていたので自分で交換してみた。普通はショップに依頼して交換すべき作業。自分でやる場合は失敗も覚悟しておく必要がある。その代わり費用は1000円程度と、かなり安くなる。また今回の大きな目的としては指板を限りなくストレートにすること。10年もするとアコースティックギターは最終フレットまでストレートであることは稀。どうしてもネックが起きて、指板が14フレット辺りで折れるような格好になる。今回指板を削ることで完全にストレートにしようというのが狙い。
フレットは名古屋の大和マークで購入。
https://www.daiwamark.com/domo/
フレット No.SBB-214H 600(長)×2.4(巾)×1.3(高)mm 素材ニッケルシルバー 525円 x2本
比較的高さのあるものを買う。オリジナルフレットの高さは0.9mmだったので、0.4mm高くなる。このフレットは株式会社三晃製作所が製造したもの。
世界的な標準品として、あちこちのメーカーで使われている。三晃製作所から直接買うこともできるが、4000円で4830mmもある。そんなにいらないだろう・・それに600mm辺りの単価は496円で、大和マークと比べても、それほど価格差はない。 下が大和マークから届いたフレット。緩やかなカーブがあらかじめついている。
これを各フレットに合う長さにカットする。およそ1mmぐらい長めにカットして、ポジションを記入しておく。3フレット分ぐらい余った。これは失敗したときのスペアと考えておく。
次にギターのオリジナルフレットを抜く。はじめ水分と熱を加えて作業したけど、意外と何もしなくてもきれいに取れることが分かったので、ガンガン抜いていくことにした。
抜き取ったフレット。傷がついたり、曲がったりしている。当然これらの再利用はできない。
抜くときに使った工具は、壊れた爪切りを改造したオリジナルフレット抜き。僅かな隙間に刃を食い込ませて抜く。面白いぐらいに簡単に抜くことができた。
フレットをすべて抜き取ったら、指板のストレート化を行う。アコギの場合はジョイント部の14フレットあたりで折れるような状態になっている場合が多い。「元起き」と言うらしい。実際僅かだし、普通は14フレット以上のハイポジションを使うことは稀なので、あまり問題にはならないが、指板がストレートでないというのは気持ち悪い。そこで、弦を張った状態で完全にストレートにした。その工程の写真を撮影するのを忘れたが、結構地道な作業を行っている。弦を張ったままの状態で、アルミのチャンネル(角パイプ)に紙やすりを貼って少しずつ調整をした。完全にストレートになったら表面を整えて終了。ストレートの基準はアルミチャンネルとなる。いい加減のようだが断面が数センチもあれば実用精度になる。
次にフレットを打っていくのだが、その前に各フレットの両端を整えて長さもジャストにする。この作業はかなり時間がかかった。次に整えたフレットを指板に打つ作業。
木製ハンマーでコツコツと軽く叩いてフレットをすべて打つ。割とあっさりと完了。
最後にフレットの擦り合わせという工程が入るのだが、試しに弦を張ったら弦高をかなり下げてもまったく音がビビらなかったので、擦り合わせの作業を省くことにした。指板をストレートにしたので、その恩恵がこういうところに現れていた。
フレットの交換は意外と簡単だった。次回はすべてのフレットは交換せずに、よく使うローポジションだけの交換でよさそうだ。指板のストレート化は弾いてみると感触が違うことに気づく。どこのポジションを弾いても均一という印象。また将来的に、かなり弦高を下げることが可能になった。今回の作業は余計なところに傷も付けず無事に終えることができた。