Reaper ReaSynth(Cockos)(VSTi)
お気に入りのReaper付属のCockos純正シンセ、ReaSynth(VSTi)を紹介。 今どきのVSTのような見た目ではなく、素っ気ないスライドがあるだけのインターフェイス。 また音楽制作で使うシンセとして見ても、音がしょぼくて使えないと言われてしまう。 しかし実験等ではとても使いやすいシンセとなっている。
注意点としては、ナイキスト周波数を考慮していない作りなので、矩形波やノコギリ波など倍音の多い音で、高い音を演奏すると折り返しノイズが入ってしまう。でも解決策が用意されていて、Reaper側でオーバーサンプリングすれば回避できる。方法は後述する。
機能
- Volume(dB)
- Tuning(cent)
- ADSR:時間はmsで、音量はdBとなっている!
- Portament:0だとポリフォニックで、それ以外はモノフォニックとなる
- Squre mix,Pulse width:矩形波の合成から完全矩形波まで可能
- Sawtooth mix:ノコギリ波のミックスからノコギリ波まで可能
- Triangle mix:三角波のミックスから三角波まで可能
- Extra sine mix、tune:もう一つサイン波を加えられる。tuneでピッチ調整。
-1200centなどにしてSUBとしても使える
チェックボックスのOldschool sine-wave generatorに関しては、高域になるほどピッチがちょっとズレるという感じ。波形自体は同じように見える。何でこれ入れたのかな?
全体的には普通のシンセとは違った立ち位置なのが明確で、正確に基本波形を鳴らすという、デジタルならではの内容となっている。 ベロシティは常時有効になっていて、音量レベルを数値通りにしたい場合はベロシティを最大にしておく必要がある。
下はADSRをオシロで見たもの。Decayはなだらかだが、AttackとReleaseは直線だね。
sine
実験では一番出番の多いサイン波。440Hzをオシロスコープで表示。下はC4~C8を鳴らしてみた。
Square mix
きれいなモーフィングという感じではない。 下は矩形波でC4~C8を鳴らしている。高域になると折り返しノイズが目立つ。
折り返しノイズの回避方法は、FX欄でReaSynthを右クリックしてそのメニューからFX instance oversampling > Oversample up to 〇〇を選択する。上げれば上げるほど折り返しノイズに強くなるが、当然負荷が上がりレイテンシーも増えるので、使いたい音域に合わせるのがよいと思う。もう一つ注意点としては、すぐに反映されるとは限らないようだ。当方ではトラックを再生するなどしたらオーバーサンプリングが反映された。
Reaperのすごいところはひとつのプラグインだけオーバーサンプリングできるというところ。負荷を最小限にすることができる!オーバーサンプリングの状態と、その負荷はFXの左下の方に表示される。
下が48kHz設定。盛大に折り返しノイズがある。
下が192kHz設定。折り返しノイズが随分と軽減されている。
Pulse with
DCカットはしないようだ。
Sawtooth mix
ノコギリ波は、わりといい感じで変化する。 下はノコギリ波でC4~C8を鳴らしている。高域になると折り返しノイズが目立つ。
下は440Hzのノコギリ波。赤い線がピークレベルをなぞっている。すでにナイキスト周波数で折り返しているのが分かる。レベルが低めなのでそれほど気にならないだけ。
Triangle mix
三角波は、レベルがかなり小さくなるね。 下は三角波でC4~C8を鳴らしている。倍音が少ないので折り返しノイズは気にならない。
Extra sine mix & tune
これは分かりにくいので、mixを0.5で、tuneを2centとした。つまり2つの440Hzサイン波が2cent違いで鳴った時のうなりが出ている。
実際には、上記の波形mixを自由に組み合わせられるので、結構いろんな波形が作れる。
音楽制作用としては?
音楽用としてどうしても使いたい場合は、折り返しノイズに気を付けつつ、ReaSynthを複数直列にしてディチューンさせたり、フィルターをFX欄に追加するなりすれば、まぁ普通に使える。 ADSR付のオシレータと考えればよいのかもしれない。