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あちゃぴーの自転車通勤
TTS-1音色のエディット

TTS-1はGM2のプリセット音色を元に、ある程度音色をいじることが可能になっている。プリセット音色を変更保存することはできないため、エディットした音色は個別にバンクに書き込み、さらにバンクを保存する必要がある。保存方法は後半に説明したいと思う。

音程楽器のパート編集画面

TTS-1

音程楽器とリズム楽器とはパラメータ内容が違っている。見た目通りの分かりやすいパラメータが並んでいるが、基本的にはオリジナルの音色の傾向を調整する程度の使い方がよいと思う

ただし、あらかじめあるプリセットをいじっても、再生のたびにリセットされてしまう。そこでエディットしたい音色をユーザーバンクに書き込んでから利用するとリセットされず保持される

また各パラメータはCakewalkからオートメーションですべて動的にコントロール可能。この場合はユーザーバンクに保存する必要はとくにない。

FILTER

CUT OFF(GM2) -63 to 63 [CC#74]
RESONANCE(GM2) -63 to 63 [CC#71]
アナログシンセでよくあるパラメータ。TTSの場合、どんな音色でもフィルターをかけれるところが面白い。やり過ぎると、みんなアナログシンセぽい音になる。

サンプルは、はじめにSynth Bass1のダイレクト音で、次にFILTERとRESONANCEを掛けてみた音。シンセ系の音なら違和感なく使える。

CHARACTER -36 to 36 [NRPN 58H 01H]

倍音の特徴を変化させる。甲高い音や、こもった音に変化させることができる。

サンプルはPiano 1 st普通の状態と、次にマイナスに振った状態で甘くしてみた。EQとは違った状態になる。

TONE

通常OFFだがONにするとBASS、MID、TREBLEのトーン調整が可能なのだが、MIDを0にすると音が出ない。これはバグのようだ。音質の調整をしたい場合は、MIDを0以外にして、いじる必要がある。
Bass -12 to 12 [NRPN 58H 22H] 400Hz以下の調整
Mid -12 to 12 [NRPN 58H 27H] 1kHz付近の調整
Treble -12 to 12 [NRPN 58H 24H] 4kHz以上の調整
On/off [NRPN 58H 20H]

ENVELOPE

Attack -63 to 63 (GM2) [CC#73]
アタックの時間を調整マイナスは速く、プラスは遅い。

Decay -63 to 63 (GM2) [CC#75]
ピークレベルから、サスティーンレベルまでの時間の調整。サスティーンは音色ごとに設定されているらしい。

Release -63 to 63 (GM2) [CC#72]
鍵盤を離してから無音になるまでの時間の調整。

弦のアンサンブルなどにおいて、アタックの調整はしたくなると思う。サンプルは標準、次にアタック、リリースとも速く、最後はアタックリリース共に遅くしてみた。分かりやすいようにエフェクトは一切ない状態。雰囲気が大きく変わるのが理解できると思う。

VIBRATO

Rate -63 to 63 (GM2) [CC#76]
周期の速さを調節。

Depth -63 to 63 (GM2) [CC#77]
深さを調節。

Delay -63 to 63 (GM2) [CC#78]
発音してからビブラートがかかるまでの時間。

やり過ぎは禁物だが、ソロ楽器などでは、ビブラートを強めにしたい場合も多い。またビブラートは発音してから少ししてからの方がよい。そういう意味では、このパラメータは重要で、とても音楽的になる。下は素のFluteにビブラートをかけた状態。

TUNING

Coarse -48 to 48 (GM2) [RPN 00H 02H]
ピッチ・シフト量を半音単位で設定

Fine -50 to 50 (GM2) [RPN 00H 01H]
ピッチ・シフト量を1セント単位(1セント=半音の1/100)で設定

MONO/POLY

Mono (GM2) [CC#126]
Poly (GM2) [CC#127]
デフォルトだとポリフォニックなので、モノフォニック楽器をうまく扱えない。 そこでMonoにし、下のポルタメントと組み合わせることで、モノフォニック楽器らしい表現が可能になる。 この項目はバンク全体に影響が出てしまうため、モノフォニック専用バンクを作ることをお勧めしたい。

PORTAMENTO 0-127

Time (GM2) [CC#5]
ピッチに変化するまでの時間

On/off (GM2) [CC#65]
ポルタメント機能のON/OFFを切り替え

サンプルはFretlessBassをモノフォニック、ポルタメントにし、フレットレスぽくしてみた。

MOD DEPTH 0-127

Mod Depth(GM2) [RPN 00H 05H]
モジュレーション・メッセージを受信したときの揺れの深さを設定。主にビブラートをかけるときにモジュレーションホイールを使うが、そのかかり具合をここで調整する。VIBRATOの設定とも関係してくるので注意。

BEND RANGE 0-24

Bend Range(GM2) [RPN 00H 00H]
ピッチ・ベンドを動かしたときのピッチの変化量を半音単位で設定。 下サンプルは最大の24にして、C4を弾いて下から上までベンドした音。C4~C2~C4~C6~C4という感じで4オクターブを上下させてみた。

リズム編集画面

TTS-1

音程楽器と違うパラメータが並ぶ。MIDI EDITは各音色ごとに設定できるが、FILTERとTONEはセット全体に適用される。またFILTERが有効なサウンドは少ない。バスドラ系、Cowbell、Timbale、MuteSurdoぐらいだろうか。

TONEは、音程楽器と同じようにMIDが0だと音が鳴らないバグがある。TONEを有効にすると、セット全体が影響を受けるので注意。

LEVEL (GM2) [NRPN 1AH rrH]

出力音量の調整

PAN (GM2) [NRPN 1CH rrH]

L63で最も左、0で中央、R63で最も右に定位。 TTSではハイハットの定位が右側にあるので、左側にしたいときなどに使う。

COARSE TUNE [NRPN 18H rrH]

インストゥルメントのピッチ・シフト量を半音単位で設定

FINE TUNE [NRPN 19H rrH]

ピッチ・シフト量を1セント単位(1セント=半音の1/100)で設定

REVERB LEVEL (GM2) [NRPN 1DH rrH]

リバーブへ送る信号の出力レベルを設定

CHORUS LEVEL (GM2) [NRPN 1EH rrH]

コーラスへ送る信号の出力レベルを設定

Filter

CUT OFF (GM2) [CC#74]
RESONANCE (GM2) [CC#71]

Tone

Bass [NRPN 58H 22H] 400Hz以下の低域の特性を調整
Mid [NRPN 58H 27H] 1kHz付近の中域の特性を調整
Treble [NRPN 58H 24H] 4kHz以上の高域の特性を調整
On/off [NRPN 58H 20H] ONのときに、Toneの設定が有効

Chorus(GM2) [CC#93]

コーラスへ送る信号の出力レベルを設定。ダブルクリックすると初期値。

Reverb(GM2) [CC#91]

リバーブへ送る信号の出力レベルを設定。ダブルクリックすると初期値。

Pan(GM2) [CC#10]

L63で最も左、0で中央、R63で最も右に定位。ダブルクリックすると初期値。

Level(GM2) [CC#7]

出力音量の調整

エディットした音色の保存方法

エディットした音色は別名でユーザーバンクに書き込み、さらにバンクを保存することで、再利用できるようになっている。

プリセットのピアノのパート編集画面を開くと以下のような画面になる。

TTS-1

例えばCHARACTERというプロパティを少しいじると、下のように音色名にチェックが入る。これはパラメータをいじって保存されていないことを意味する。

TTS-1

名称を変更する場合は、名前の上で左ダブルクリックすると、以下のようなウィンドウが開くので、ここで変更する。使える文字は半角英数字のみ。

TTS-1

さらに、音色名右上のWRITEボタンをおして、4つあるユーザーバンクのうち、好きなところに書き込む。この段階でTTS-1を閉じると、エディットした音色はクリアされてしまうので、再利用したい場合は、バンクそのものを保存しておく必要がある。

TTS-1

音色、Bankの保存

音色を保存したいときは、バンク単位で行う。 バンクを保存するときは左クリックすると下記のようなメニューが出るので、そこからSave Bankを選択する。好きな名前で保存しておく。

TTS-1

以下のようにBankはNormal1~4及びRhythmの5バンクをそれぞれ個別に扱い保存する。呼び出すときは、この5つのバンクのどれかを置き換えることになる。

TTS-1

TTS-1