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あちゃぴーの自転車通勤

u-he Bazille

はじめに

Bazilleはu-heシンセの中でもトップクラスにマニアックなシンセ。 Bazilleの特徴を一言で表現すると、FM/PDオシレータを搭載したパッチ接続のセミモジュラーシンセとなる。 内部を理解して、いじり倒したい人しか手を出さない方がよいシンセ。シンセの学習に割く時間が無かったり、プリセットを選ぶ使い方がメインの人にはお勧めできない。

Bazilleのオシレータは難易度が高く、予備知識がないと、どう使ってよいか困るレベル。 zebralette 3のオシレータも難易度は高いが、マニアックというよりも正常進化。 一方Bazilleは、古典的なシンセサイズをリスペクトしたもので、その知識が要求される。触れば触るほどクレイジーなシンセだということが判明していく。 高機能なZebraはそれほどクレイジーだと思わなかったが、Bazilleは明らかに狂っている・・・

u-he Bazille
https://u-he.com/products/bazille/

u-he Bazille

Bazilleを使うにあたって、デジタルシンセサイズのYAMAHA式FM(Phase Modulation)とCASIO式PD(Phase Distortion)の原理と使い方をまず学習する必要がある。 その上で、ARP2600のようなパッチ式モジュラーシンセの使い方を学習するという流れだろうか。 パッチの自由度は高く、FMシンセのアルゴリズムという名前負けしている固定的接続を選択するだけという不自由さがない。4オペレータのFMシンセとしてもDX7以上の柔軟性がある。

u-he Bazille

u-he Bazille

u-he Bazille

BazilleはデジタルOSCとアナログモジュラーシンセのコラボという内容なので、これを喜ぶユーザーは世界中にどれぐらいいるのだろうか?という疑問が出てしまう。 実機が存在しないカテゴリーであるにも関わらず、部分は古典的で、最新シンセのように視覚的に至れり尽くせりUIというわけでもないので、ユーザーに厳しいシンセだ。 マーケティング的発想ではないコンセプトだ。そこがu-heのよいところ。 下サンプルはアナログ音らしいシーケンスで、こんな感じの昔っぽい音が作りやすい。

個人的には、ソフトシンセはZebraだけあれば困ることはないのだが、シンセそのものに興味あるので、当然他シンセも少しはデモを触ったりしていた。結局Zebra3の登場を待ちきれず、FMやPDに興味があったのでBazilleに手を出してしまった。

Zebraとの比較という意味では、守備範囲の広いZebraに対して、Bazilleは機械いじりの感触があることと、柔軟なモジュレーションとアナログサウンドがポイントだろうか。 まったく別の性格を持つ楽器として共存は十分あり得ると思う。 最終的な音の違いもあるが、むしろ音作りのプロセスの違いを楽しむという使い分けになる。

Bazilleは、そもそもu-heのBerlin Modular Projectという開発の流れの中で登場した製品。他にACEというミニシンセもある。Bazilleの半額ぐらいで買えるし、ミニシンセというところもよいのだが、やはりコンセプトがかぶるので、大は小を兼ねるということでBazilleを買うことにした。ACEを買ったら必ずBazilleも買うことになるだろうが、その逆はないことを願う。 それから、いつの日か登場するであろうBazilleの上を行くBerlin Modularもリリースされる計画はあるようだ。

見た目が好き

ソフトシンセはユーザービリティがしっかりしていれば良いと思うのだが、それでも色とか質感とか印象とかそういう部分も重要だったりして、そこが気に入らないと、どうも使いたいという思いが薄れてしまう。 個人的にBazilleは、かなり好印象で、Zebraよりも好きなのだ。 特にOriginal UIが好き過ぎる。ノブのデザインやパネルの微妙な質感とか。

一方、使い勝手としては裏に隠されている機能があったり、シンメトリー過ぎたりなど、マイナス面もあるのだが、質感という部分が好きなので許せる範囲。

u-he Bazille

Bazilleの歴史

2009年に以下のようなアルファ版が登場。Bazilleという名前はドイツ語でバクテリアを意味するとursさんが言っている。

u-he Bazille

その後4年ほどかけてブラッシュアップされ続ける。そして2013年にBazilleが正式リリースされた。 2024年8月にはCLAP、Control Keyなどをサポートした最新バージョンをリリース。アルファ版からすでに15年も経っている。 多くのメーカーでは割と短い期間で開発終了になったり、全く違うものになったり、担当者がいなくなったりするのだけど、u-heは互換性を維持したまま育ててくれる。しかもバージョンアップは無償。変な管理ソフトもないし、サブスクなんてしない。ある意味古典的なビジネスモデルで、ユーザーとの信頼関係を築いているように見える。 個人的にu-he製品を多く所有しているが、必要性で購入するというよりは、応援という意味合いが大きかったりする。必要性だけで言ったらZebraだけあればよいので・・・

Cookbook Howard Scarr

u-he Bazille

u-heのサウンドデザイナーHoward ScarrもBazilleには特別な思いがあるようで、自らのサウンドセットと解説テキストの販売もしている。 せっかくなので、これも購入してみた。 かなりヘビーな内容で、それなりに読み解くのに1年以上かかりそう。

u-he Bazille