u-he Zebra3 (REV 21799)
u-heのフラッグシップに返り咲くZebra3
Zebraというソフトシンセは、2003年にリリースされてから23年経っている老舗シンセ。 Zebra2が2006年にリリースされると、マイナーバージョンアップを繰り返しながら20年が過ぎて行く。 そして11年以上の開発期間を経て、ようやくZebra3が2026年4月20日に正式リリース。

Zebra3の特徴
基本コンセプトは変わらずワイヤレスモジュラーシンセで、多くのモジュールを接続して音作りをするタイプのシンセ。 構造を理解して使う必要があり、ハードルはかなり高いものとなっている。 プリセットだけを選んで使う方法もあるが、この手のシンセはいじって楽しむべきだろう。
ベクターオシレータ

多くのモジュールの中で特筆すべきはベクターベースのシンセサイズだろう。 ベジエ曲線で波形が描けて、SVGとして入出力が可能となっている。 この部分だけを切り出した無料のZebralette3がある。 たった一つのオシレータにも関わらず、そのポテンシャルの高さは驚くべきもので、次世代シンセと呼ぶのが相応しいと思う。 おそらくここまで純粋にベクターを使ったシンセはないと思われる。 ピンと来ない人も多いとは思うが、サンプルベースのウェーブテーブル系シンセが、ベクターに置き換わったと考えてよいと思う。 それによって考え方から使い方まで大きく変わるというもの。 メリットは解像度に依存せず、リアルタイムに計算するところ。 逆に計算コストが高くなる為、CPUに負荷がかかる。ある程度のPCスペックを要求することになる。
物理音源、FM音源、アナログフィルター他

ベクター以外のモジュールも高性能で、u-heの他シンセの技術が惜しみなく投入されている。
マニュアルには各モジュールの解説はされているが、Zebraを使いこなす最低限の知識にすぎない。 その上で各種モジュールの組み合わせと効果を学習する必要がある。 シンセの最低限の知識とマニュアルを読み込むぐらいでは太刀打ちできない。 あまり見かけない機能のモジュールに至っては、応用方法すら不明なものもチラホラある。 この辺はu-heらしいシーズ優先の開発姿勢が伺える。

人が操作するシンセ
学習コストが高いことは間違いない。 イージーな操作性や、SerumやVitalのような視覚的なフォローが充実しているシンセも多いが、視覚効果にCPUパワーが使われてしまう。 Zebra3は逆で、視覚的なアニメはほとんどなく、原理や挙動を理解していないと、音作りは難しくなっている。 ハードルは高いが、理解してしまえば、痒いところに手が届く為、自由自在に操ることができる。 そしてCPUパワーのほとんどは音のために使われる。
デフォルトセッティング
デフォルトのチューニングがZebralette3から0となり、Zebra3でも0となっている。 今まで-12で違和感があったのだが、ようやく普通になったという印象。
サポートの充実と実績

u-he製品は打ち切られることがない。 販売されたもので消えてしまう製品はなく、20年以上経っても更新され続ける。 この安心感は他メーカーではなかなかお目にかかれない。
またu-he製品は基本的に無料バージョンアップとなっているが、 今回のZebra3に限って、Zebra2からバージョンアップ料金が発生。 名前こそZebraではあるが、完全に新規開発なので、別の名前になっても不思議ではなかった。 バージョンアップというかたちで、既存ユーザーに配慮してくれただけでも感謝せねば。 価格は249ユーロ(46,738円+消費税)と大幅に値上げとなった。
またシリアルナンバー管理からライセンスカード管理となった。 多くのベンダーが巨大な管理ソフトを導入しているのに対して、ユーザーに寄り添っているのが分かる。
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