u-he ZEBRA legacyHZ
Diva VCF
Zebra HZの売りのひとつであるDIVA VCF。u-he Divaに使われているフィルターが、そのまま入っている。Urs Heckmannが掲示板で言っているので間違いない。 基本的に実機のフィルタをエミュレートしたVCFで、実機を知っているとより楽しめる。 メイングリッドで最大4個利用可能だが、CPU負荷が高くモノラルになっているとのこと。 サンプルはモノラルで、OSCはノコギリで統一して、Diva VCFだけ掛けたノンエフェクト状態にした。
パネルはModulator Rackではなく、Lower Paneに右側に表示される。左側はDIVA HPFになる。
VCF/HPF共通の設定
ACCURACY
CPU負荷を以下4択で設定する。下に行くほど負荷が上がる。
draft
fast
great
divine
OFFLINE ACC
オフラインのオーディオレンダリングに使用される精度。
best:最高品質でオーディオにレンダリング
Same:ACCURACYに追従だろうか?
CUTOFF SLOP
カットオフのランダマイゼーションの量を調整。
RND
これを押すことで、CUTOFF SLOPの新しいランダム値が生成される。
VCFの設定
MODEL
5種類選択できるが、モデルによって、表示されるパラメータは変化する。実機の写真と共に各フィルターの特徴を見てみる。
Ladder(Moog Minimoog Model D)
Moogの有名なラダー・フィルター。モノフォニック用。その後の基準になったサウンド。 カットオフ、レゾナンスとキーフォローがある。自己発振可能。
MODEは24dB/1oct(4ポール)、12dB/1oct(2ポール)の切替が可能。24dBは急激な減衰で12dBは比較的緩やかなな減衰となる。このDIVA VCFは、どれも音量が下がり気味になるので、入出力の際にレベルを調整する必要がある。特に入力レベルは音質にもかかわってくるので注意。
OSCで下のような理想的な矩形波を作って、Ladderを通してみる
結果は下のようなアナログらしい、いびつな矩形波になる。これは今までZebra2標準のVCFでは実現できなかったもの。DIVA VCFはどれも、このような矩形波になる。
ノコギリ波にLadderをかけてみたシンセベース
OSCなしで、フィルターだけで自己発振させてみた。
Cascade
Roland Jupiter 8 = Cascade Clean
Roland Juno 60 = Cascade Roug
パラメータ構成はLadderと同様だがCOLORが追加されている。Clean(Jupiter 8)とrough(Juno 60)が選べる。 ポリフォニックシンセ用のフィルタなので、和音で濁りにくいように調整されている。
コードを弾いてみる。
Multimode(Roland Jupiter 6)
こちらもポリフォニック用のフィルタだが、マルチモードで、タイプが切り替えられるようになっている。実機はLPとHP同時押しでBPになるようだ。 音は全体的に無難にまとまる傾向なので、アンサンブルでは使いやすくなっている。
MODEはLP、HP、BP等が選べる。さらにレゾナンスも掛けられるので音作りの幅が広がる。
- LP 24db:4-pole lowpass
- LP 12db:2-pole lowpass
- HP:highpass
- BP:bandpass
同じローランドのポリフォニック用なので、LPは同じ傾向にある。サンプルはちょっとフィルターの掛け方を逆にしてみた。
BITE(Korg MS-20)
トーンは入力信号レベル、選択したREVISION(1 or 2)、レゾナンスに大きく依存する。 モノフォニックということもあり暴れる音が出るKORGのアナログシンセのフィルタ。
単音が似合いそうなので、ベースを作ってみる。
Uhbie(Oberheim SEM)
オーバーハイムの代表のひとつ。基本的にポリフォニック用フィルター。上品だが重厚でサウンドバリエーションも豊かなフィルター。パッドサウンドなどに良さそう。 ステート・バリアブル2ポール。Diva VCFの中で唯一自己発振しないフィルター。
SHAPE MIX:LPF - Notch - HPFをシームレスに切替でき、モジュレーションも掛けられるので、変わったサウンドも作りやすい。 CUTOFFとの関係が重要で、LPFの時は最大の150がカットされていない状態で、HPFの時は最小の30がカットされていない状態。Notchは、特定の帯域をカットするフィルターで、左が低域で、右が高域、中央が1kHzになっているようだ。
BANDPASSをONにすると、NotchがBANDPASSになり、削るのではなく、その周波数を持ち上げるようになる。ただし、ゆるく持ち上げるので、RESONANCEを上げないと、どの帯域が持ち上がっているのか判別は難しい。 またSHAPE MIXが最大値、もしくは最小値の場合は変化がない。
サンプルは発振しないことをいいことにレゾナンス最大にして、耳につくギリギリの音にしてみた。