u-he ZEBRA legacy
VCF
Zebraの基本フィルターであるVCF。 他にもモジュールとしてはXMFというフィルターもあるが、こちらの方がCPUにやさしい仕様になっている。
Generators rackでは4個使えるが、FXグリッドにも2個同じものが存在するので、Zebraとしては最大6個使える。下はFXグリッド版VCF。
Filter Types
普通はLPさえあれば事足りるのだが、Zebraには7種類23個用意されている。 LPだけで12個あるので、どれを使ってよいか迷うところだ。 選択するフィルタータイプによって、パラメータ構成が変わるので注意。
LP Xcite
24dBのローパスで、周波数に依存したエキサイターで高域を強調。 なお、これがパラメータ構成の基本で、パラメータ内容が違う場合は、そのフィルタタイプのパネルの絵を入れておいた。
- Cutoff(0.00~150.00)
エッジ周波数を決定。多くのシンセと違って、周波数を指定するのではなく、鍵盤との関係から導き出している。 カットオフは半音単位で表示。 カットオフ値は、標準的なMIDIノート番号に12(1オクターブ)を足した値に対応。 例えば81はMIDIノート69番のA(440Hz)を意味する。 試しにホワイトノイズにCutoff 81、Res 100にしてみた。ちゃんとピーク値は440Hzになっている。
- Res(resonance)(0~100)
レゾナンス。カットオフ周波数を強調した内部フィードバックループ。 - KeyF(KeyFollow)(0~100)
固定カットオフ周波数による、鍵盤の音域による音量、音色の変化を調整。これは目的に応じて使い分けるべきで、やたらとKeyFを上げるのはよくないと思う。 とくにRes効果があやふやになりやすい。 下サウンドでは、KeyFを0にした状態で、カットオフ周波数は固定されている。そのため、音が上がっていくたびに音量が下がり、倍音もなくなっていく。
下サウンドは、KeyFを100にした状態で、どの音域でも同じような音色と音量を保っている。
- Drive(0~100)
歪を追加し音量も若干アップする。
LP Allround
2CPUに優しい24dBのローパスで、Driveを介して強い共振と滑らかな発色を実現。 ボリュームがあり、派手な音になるので、インプットもResも控えめにした方がいい。
LP MidDrive
リードに適している。
LP OldDrive
偶数のハーモニクスを追加したヴィンテージ・サウンド。
LP Formant
ボーカルフィルタータイプ。非共振12dB/オクターブのローパスと共振フォルマントステージを組み合わせ。 VowelパラメータはA-E-I-O-Uをモーフィング。 右側アシンブル・ノブはVowelパラメータを動かす。 下サウンドはFormantを最大にしてVowelパラメータを動かした状態。人の声のようになる。
LP Vintage
24dBのロールオフを備えたCPUにやさしいアナログモデルのトランジスタラダー。
LP 12dB
LPオールラウンドの12dBバージョン。
LP 6dB
非常に浅いロールオフ、非共振のシンプルなローパスフィルタ。
BP RezBand
共鳴12dBバンドパス。
BP QBand
もう一つの共鳴型バンドパス。
HP 24dB
共振24dBハイパス。
HP 12dB
上記の12dBバージョン。
BR Notch
24dB ノッチフィルタ。
EQ Peaking
ピーク/リジェクトフィルター。Res はピークの傾きをコントロール。ゲインは-20dB (深いノッチ) から +24dB (強いピーク) の範囲。このタイプはGainが0の場合はほとんど影響がない。
EQ LoShelf / EQ HiShelf
パラメトリック EQのShelf。 EQ ピーキングと同様に、Gain は周波数レンジ(ローまたはハイ)を減衰またはブーストし、Res パラメーターはスロープをコントロール。
AP Phaser4
4段のオールパス(AP)フィルターを使用して、典型的なフェーシング・エフェクトを生成。Cutoff は中心周波数をコントロールし、Res は強度をコントロール。
AP Phaser8
8段のオールパス(AP)フィルターを使用して、典型的なフェーシング・エフェクトを生成。Cutoff は中心周波数をコントロールし、Res は強度をコントロール。Splitパラメータで8ステージをデチューン。
LP Vintage2
自己発振が可能なLP VintageのCPU集約版。
上記のような設定でノイズを使って発振させると、割ときれいな口笛風の音になる。 ノイズは音程を持たないけど、フィルタが自己発振してくれるので成立する。
SR Decimate
フィルターではなく、サンプルレートリダクションプロセッサー。 サンプリングレートをいじっているらしく、下げると音程も成立しなくなる。 Cutoff パラメーターはサンプルレートをコントロール。 KeyFは100を使わないと音程が維持されない。
下のようなビットサウンドを作れる。
LP TN6SVF *
TyrellN6の状態変数ローパス。他のタイプより1オクターブ高い。
LP MS2035 *
Divaの初期バージョンrev1 ローパス
LP S20SK *
Divaの初期バージョンrev2 ローパス
* 最後の3つは以前のバージョンのZebraで誤って含まれていたもので、互換性を考慮して再導入された。CPU負荷は他のタイプに比べてかなり高い。