ZOOM G2X FOUR 買ってみた
初心者向けのマルチエフェクターを探す
気の迷いでエレキギターとエフェクターを買ってみた。 エフェクトはDAWのプラグインで何とかしようと思ったのだけど、ワウペダルに興味が沸き、ペダルを調べていると、似たような価格でマルチエフェクターが売っていた。 本格的にエレキを弾くつもりもないので、遊ぶには単体ワウペダルよりもマルチエフェクターの方が楽しそうだということでマルチを買うことにする。
マルチエフェクターでコスパが高いのはZOOM。 ZOOMのペダル付マルチエフェクターで一番安いのはG1X FOURなのだけど、1000円程度の違いで上位機種のG2X FOURがある。 さらにG1X FOURの発売日が2019年1月で、G2X FOURが2022年12月。 日進月歩のデジタル機器なので、迷わずG2X FOURを買う。 価格は15800円

G2シリーズの歴史
ZOOMが昔からマルチエフェクターを作っているのは知っていたが、歴代G2シリーズだけを調べてみる。 FOURと書いてあるので4世代目かなと思ったけど、調べた限り3世代目かな? 過去製品の価格はヨドバシの最終販売価格。 価格があまり上下していないのが分かる。
G2(10680円)、G2.1u(16000円) 2005年発売

G2Nu(11100円)、G2.1Nu(13370円) 2010年発売

G2 FOUR(12500円)、G2X FOUR(15800円) 2022年12月発売

主な仕様
- サイズ:150 mm (D) x 274 mm (W) x 71 mm (H)
- 質量:951g

ヘッドフォン端子はステレオミニなので、標準フォーンのヘッドフォンは接続できない。 この手の機器は標準フォーンであってほしかった。
各種画面
操作性は高機能の割にはうまくまとめられていると思う。 大型ディスプレイによるカーソル操作が基本。 上下カーソルの配置が違和感ありだが、大きな問題はない。 下記は主な画面。
出力はアンプ用かライン用を選択
起動時に毎回表示されるが、menu画面のOUTPUTからもアクセスできる。 この画面を毎回出したくない場合はmenu画面のSTART-UPでNOにする。

MEMORY画面
300パッチを登録可能。 そのうち1~250までが書き換え可能なファクトリープリセット。 名曲のギターサウンドの再現ということで新しい順に年号入りで並んでいる。 残り50はEmptyとなっていて、何もないところからパッチを組むことができる。

ファクトリープリセットを書き換えてしまって、そのパッチのみファクトリープリセットに戻したい場合は、 2番フットスイッチ長押ししてREVERT画面に入る。 そしてFACTORYを選択すれば、ファクトリープリセットに戻る。

EFFECT画面 6 EFFECTS+PEDALを直列
使うエフェクトを接続する画面。オフにすると薄くなる。アクティブにすると上に配置されノブで設定できるようになる。
エフェクトの中にはアンプシミュレーターや、ルーパー、リズムマシンが含まれている。 ペダルはボリューム、ワウ、ピッチシフトなどがある。 負荷の高いエフェクトをセレクトすると数の制限が出て来る。

画面上は最大3個までしか表示できない。以下は全体の接続イメージ。 最大6個のエフェクトとペダルとBPMが直列で接続される。 接続順は自由に変更できる。 ペダルは、通常ボリュームだが、ワウなどに変更できる。 BPMは固定で消去などはできないようだ。

エフェクト後は、マスターEQとマスターボリュームがある。 MEMORY画面で、4個のノブを動かすと表示される。 マスターボリュームはヘッドフォン出力調整にも使われる。

LIBRARY画面
エフェクトを選択するときの画面。 すべてのエフェクトが並んでいるのでカーソルキーで選択する。

列ごとのエフェクターは以下の通り。 詳細は別ページに整理中。 アプリを購入すれば、さらに54種類のエフェクターが追加できる。

MENU画面
カーソルのセンターボタンを長押しするとメニューが表示される。 右へスライドして希望アイコンを選択する。 ここで各種操作と設定を行う。 パッチ内の操作や全体の設定などが混在しているが、演奏時の使い勝手を優先したのだろう。

左からパッチ内、パッチ関係、全体の設定など、使用頻度が高いものから順に並んでいて、あまり使わないような設定は最後の方になっている。

| MOVE | エフェクタの移動 | カーソル操作 |
| PATCH NAME | パッチ名の書き込み | カーソル操作 |
| COPY | パッチのコピー | ENTER/CANCEL |
| PATCH ERASE | パッチの消去 | ENTER/CANCEL |
| OUTPUT | 出力切替 | AMP/LINE |
| AUTO SAVE | 自動保存 | ON/OFF |
| PRE-SELECT | プリセレクト機能のON/OFF | ON/OFF |
| ECO | 10時間後にOFF | ON/OFF |
| START-UP | 電源起動時のOUTPUT表示のON/OFF | YES/NO |
| LCD | 画面のコントラスト調整 | 1~13 デフォルト8 |
| ALL INIT | 工場出荷状態リセット | YES/NO |
| PEDAL | 内蔵ペダルのキャリブレーション | MIN/MAXキャリブレーション |
| VERSION | ファームウェアバージョン確認 | 現在Ver表示 |
TUNER画面
3番フットスイッチ長押しでTUNERモードになる。 針メーター風で使い勝手はよい。 ギターに特化した変速チューニングモード等もある。

USB Type-C
PCと接続することでオーディオインターフェイスとしても利用可能。 ギターの入力および、PC側の再生がG2X FOURで行える。 PCにはドライバのインストールが必要。 ドライバのダウンロードは以下から行う。
https://zoomcorp.com/ja/jp/multi-effects/guitar-effects/g2-four-g2x-four/g2four-support/
またバスパワー(5V)で駆動することもできる。 そのためオーディオインターフェイスとして使う場合は、別途電源は必要ない。
iOS、Androidと接続し有料アプリを使うことで、 アプリから54種類のエフェクトを追加、操作が出来るようだ。 個人的には現状で満足しているので追加しようとは思わない。

ACアダプター9Vセンターマイナス 500 mA(AD-16 )
この手のエフェクターは電池駆動が多いのだが、ACアダプタ(DC9V)駆動オンリーとなっている。 電池駆動エフェクタはACアダプタは別売りだが、G2X FOURはACアダプタが付属している良さがある。 USBバスパワー5Vでも駆動できる。

ファーストインプレッション
6台のエフェクト、アンプシミュレーターを直列で接続できるので、エレキギターのサウンドを1台で完成させられる。 こうなるとDAWのプラグインは不要になり、何かとシンプルになる。 肝心のワウも少し試した感じでは期待通りで不満はない。
G2X FOURは初心者向けエフェクターということだが、歴代アンプやらエフェクターがずらりと並んでいて、情報の多さにかえって混乱しそう。 単体エフェクターを接続していた時代からすると夢のようだが、すべてエミュレートなので、実体のなさが嘘くさく感じられるかもしれない。 個人的には本格的ではない偽物っぽさが気に入っている。 本格的にやる人は、むしろ古いスタイルで、本物のアンプに、個別エフェクターに行きつくだろう。 エレキギターの世界は、物理的であればあるほど価値があるように感じる。
またベースもつないでみたが悪くない。 ベースはダイレクトでもよいかなと思っていたが、G2Xを通すとアンプから出てきた音らしくなる。 G2Xはベース用ではないが、チューナーも機能するし、ベースアンプもあったりするので、問題ないじゃんという結論。 いろいろ使えて便利なG2X。