CLAPi u-he Zebralette 3 fx Wave Manipulation Effects
波形全体を直接変更するエフェクト。
DeltaX
古典的なFM合成に似ている。 モジュレーターは通常波形で、キャリアはサイン波。
下はサイン波に対してDepthを深めて、FMらしくしてみたところ。 キャリアのサイン波とモジュレーターのサイン波(描画波形)のFM変調。 モジュレーターのレベルを上げている動画となる。 DX7等の古典的FMに比べ、モジュレーターレベルは5倍ぐらい上げられる。
上記動画をもっとゆっくりな動きの音にしてみた。 DX7などの古典的FM音源でこれをやると、段階的に変化してしまうのだが、Zebraletteではスムーズに変化させられる良さがある。
ビット系の波形に対して行うと、複雑な変化となる。
Transfer
Linear、Absolute、Square、Sqr Abs、Exp、Exp-からトランスファー関数を選択できる。 DX7タイプの位相変調に最も近いのはLinear。 キャリアとモジュレーター間のピッチをオフセットする。
Linearは波形をそのまま使用する。
Absは絶対値。適用すると以下のようになる。
LinearでAbsと同じ波形を再現してみる。Absは絶対なのでマイナスがプラスになるイメージ。 以下のようにすると同じ出力波形となる。
Squareは波形を二乗している。これもLinearで再現してみた。
Sqr Absは符号をそのままにして二乗。これもLinearで再現してみると2段目のようになる。
Expはe^xということ。eはネイピア数で自然対数の底。eは無理数なので2.7182818284⋯ という感じ。
Exp- マイナス。
上記と同じ波形をExpで再現してみる。
Index
Equal
Modulator +1
モジュレータの操作
Modulator +2
Modulator +3
Modulator +4
Carrier +1
キャリアの操作
Carrier +2
Carrier +3
Carrier +4
Direction
Wave(Mod) → Sine(Carrier)→ Sineがキャリアとなって出力。
Sine(Mod) → Wave(Carrier)→ 逆にすることも可能。
Map-o-Matic
位相または倍音のゲインのいずれかにカーブを適用する。 4種類から選択できるが、動きも考え方も違うので結構混乱する。 u-heらしくフレンドリーでない部分だ。 それぞれを試して挙動を読み取らないと思い通りには使えない。
RePhase
波形の位相は、選択したカーブにリマップ。 位相歪みを逆にしたようなもの。 ここでは、カーブは波形自体の位相を設定。 上昇するノコギリ波は波形をそのまま再生し、下降するノコギリ波は波形を逆に再生。 Influence0=無効、100=効果。
PDとして普通に使えそう。-cosを2回読み出してみた。 Phase Distortionとの違いはcosが用意されていないところだろうか。
Phase Offset
選択したカーブは、波形に相対位相オフセットとして適用される。 DeltaX の逆。 カーブがオフセットするのは、コサインではなく波形自体の位相。 RePhaseの約20倍の効果。 中央の水平線は影響を与えない。 Influenceは全体の位相オフセット。
下は地味な使い方。単純に位相をLFOでゆすってみた。
Value Grade
波形の倍音のレベルは、選択したカーブにリマップ。 上昇するノコギリ波は波形に影響を与えず、反転するノコギリ波は波形を反転。 Influence0=無効、100=効果。
-cosにギザギザを適用してみる。中央で-cosのレベルを落としてみた。XY軸の関係が分かれば挙動も見えてくる。
DrawStortion
選択したカーブを使ってカスタムディストーションを描く。 一般的に、カーブのちょうど真ん中に中心点が来るようにする。 ここでのInfluenceは入力ゲイン。
馴染みのない効果なので挙動が掴みにくい。 -cosを特徴的なガイドで歪ませてみた。Y軸反転とx軸分割に慣れてしまえば挙動は読めるようになる。
Phase Distortion
詳細記事書きました。波形研究 Casio Phase Distortion
80年代のカシオ・シンセサイザーCZシリーズで使われたシンセシスの形式。 元の波形は、コサインを上げた位相の伝達関数として機能する。 Depthパラメーターは、0(ランプ)から100(波形)まで、ストレートなランプを波形にクロスフェードさせる。 後者を取り込み、レイズド・コサインの位相関数として使用。
上記はマニュアルの直訳だが、とても分かりにくい。
結局のところDepth0では-cosがデフォルトで用意されていて、
読み取りテーブルもランプ(sawup)がデフォルトになっている。
読み取りテーブルは、X軸が1周期分で、Y軸が読み取り座標となる。
Depth100にするとアクティブなカーブが読み取りテーブルとして機能する。-cosはそのまま。
つまり下のようなカーブにすると、1周期分で3回読み取ることになるので、結果的に3個の-cosが出現する。
下はDepthをMSEGを使って0から100へ回している。
Scrambler
FMシンセサイザーのオペレーター・フィードバックと同様に、カーブの位相はカーブ自体によって変調され、多くの新しい倍音を生み出す。 波形を数学的な以下の伝達関数に通す。 Linear、 Absolute、 Square、 Sqr Abs、 Exp、 Exp- その結果を使って波形自体の位相を変調。すぐにノイジーになり、あらゆる種類のブライト・トランジションが得られる。
確かにすぐにノイジーになるが、音程感はしっかりある。
控えめに使うと、生き物のような動きを得ることができる。こういう微妙な動きこそ、解像度に依存しないZebralette3の強みだと思う。
Symmetry
波の中心を左右に移動し、それぞれの半分を拡大/圧縮する。 Depthを50.00に設定すると、効果はない。 正方形にSymmetryを適用して、古典的なPWMを作成できる。 下は-cosにDepth0~100でゆすったもの。PDもどきができる。
Sync
古典的なオシレーターシンクをシミュレート。 Center は、フォロワーが Depth 経由でスイープしている間、リーダーの位相を調整する。 Centerを50.00に設定すると、スイープは左右対称になる。 下はノコギリ波にSyncをかけたもの。 Center50で、中央に集まるようにした。 Depthを0から100へMSEGを使って回している。 最大で4オクターブと半音分上がる。
Wrap & Zap
フォールドバックの歪み他。
Mirror
Depthコントロールはゲインを上げ、(再帰的に)波の最大値を超える部分を折り返す。
Rotate
ミラー(Mirror)と同じだが、折る方向は逆。通常のノコギリ歯に適用するとSyncに似ている。
Multiply
正弦波フォルダーに似ている。
Clip
シンプルなハードクリッパー。
SoftClip
シンプルなソフトクリッパー。