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あちゃぴーの自転車通勤
東海林修 機材の変貌5
1987~1988 Fairlight III

1987~1988年にかけて、4枚のレーザーディスク映像作品の音楽を担当。 しかし再生するのに不可欠なレーザーディスクプレーヤーがなかったので、動作が怪しいものを中古で買って修理を試みる。レーザー素子が死んでいたらお手上げだったけど弱っている程度だった。レーザー強度を上げながら最適なところを見つける。大きな問題は他の箇所で、いくつか部品交換を行う。何とか騙し騙し再生できるようにはなった。原因特定まで半日かかったよ。

さて、作品の中身は劇伴ではなく普通に音楽が収録されている。どれもライナーノーツがないので、使っている機材も不明だが、音からしてFairlight IIIをメインで使っていると思われる。

1987年12月 大自然の輝きナイアガラ

大自然の輝きナイアガラ

割と壮大なスケールの音楽から始まる。10分を超える大曲が並ぶ。タイトルは特になくて1~4の番号が割り振られている。透明感のある音色でSystem700のころのようなアプローチ。音的にアナログシンセも使われているかもしれない。 サンプルは1曲目の冒頭だけど、ゆったりしたスケール感のある神秘的な曲調。

2曲目の一部。アルバムの中ではかなりポップな部分。

1988年1月 地上の楽園 カリブ海 ジャマイカ

地上の楽園 カリブ海 ジャマイカ

ジャマイカを意識した曲中心かと思ったら、それほどでもなく、聞きやすいポップな仕上がりだった。 サンプルは「Under Water Magic」で、Fairlightらしいサウンド。

1988年1月 地上の楽園 カリブ海 バハマ

地上の楽園 カリブ海 バハマ

このアルバムはオープニングこそバハマを意識したサウンドだが、後半は違う世界という印象。小粒な曲が8曲収録されている。

「夢に見たナッソー」面白いサウンドになっている。

後半は「風と木の詩」のような曲が並ぶ。下のアルバムのタイトルが「光と風の詩」なので、そっちのイメージなんだけど、なぜバハマで?

ラストはピアノとティンパニーで盛り上げてくる。

1988年10月 光と風の詩 立山・黒部

光と風の詩 立山・黒部

「最新映画音楽集」のライナーノーツで「風と木の詩」のようなアルバムを別の視点から準備していると言っていたので、タイトル的に多分これのことだと思う。 和を意識し尺八の音も使われていたりする。物静かな「風と木の詩」というよりは、大自然の力強さを感じるサウンド。サンプルはパンパイプのメロディが親しみやすいのだけど、相変わらず凝っていて印象以上に複雑。

次のアルバムが発表されるのは5年後の1993年で、フェアライトは使われていなかった。 フェアライトでの制作は1988年の作品で最後だったのかもしれない。 フェアライトをいたく気に入っていた様子なので、フェアライト社の撤退はショックだったに違いない。

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